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VOICE 179

Lia and Brian McCormick of
Clever Crow Farm

Photography - HIRO  Interview - MINA

VOICE 179- Lia and Brian McCormick of Clever Crow Farm

「Clever Crow Farmは、皆さんにお越しいただき、体にやさしい食べ物を購入しながら、その時間そのものも楽しんでいただける場所です。日常の喧騒から少し離れて、ほっとひと息つけるような、特別な場所を目指しています。「質の高いおいしい食べ物を届けたい」という思いを大切にしながら、地域の皆さまにユニークな商品をお届けしています」

Clever Crow Farm は、食への深い情熱を持つ夫婦によって生まれたファームビジネスです。ふたりがバンクーバーアイランドのブラッククリークに土地を購入し、農業を始めたのは2014年のこと。もともとバンクーバーで出会い、1995年にコモックスバレーへ移住したふたりは、ベジタリアンレストランを営み、BrianさんはRed Seal Chefとして、Liaさんは接客のプロとして、地元の高級レストラン「Locals」での経験も持ちます。

彼らが購入した約5エーカーの土地は、もともと馬術場として使われていたもので、当初は大型トラック用の小屋があるだけでした。その小屋は現在、かわいらしいファームショップに改装され、連日多くのローカルや訪問客でにぎわっています。

自然農法を軸に、種類豊富な花や野菜、植物たちが整然と育てられている風景は、シェフからファーマーへと転身したBrianさんの人柄を映し出すかのよう。VOICEがこれまで訪れた数あるファームの中でも、ここは特に手入れが行き届いている印象を受けました。花や野菜は各列にまっすぐ整列し、杭打ちには敷地内で育てたバスケットウィロウやメープルの枝を使用。苗木を育てるグリーンハウスや野菜を洗う裏小屋まで、細部にわたって愛情と丁寧さが感じられます。Liaさんはキッチンを担当。ファームショップのオープンキッチンでは、その季節に採れた食材を使ってマフィンやクッキー、ペストやフムスなどを手づくりしています。忙しい合間にも来店客と会話を交わし、丁寧に質問に答える姿からも、彼女のあたたかい人柄が伝わってきます。

ここでは、ただ野菜を買うだけではありません。看板商品のソルト&スパイスをはじめ、カラフルなサラダや焼き菓子、冷凍スープ、地元ブランドの商品、高級イタリアン食材(Liaさんは大のイタリア好き)まで、バラエティ豊かなラインナップが並びます。天気の良い日には、外のパティオでファームを眺めながらお茶を楽しんだり、店内でLiaさんと“食の話”に花を咲かせたりするのもまた、ここならではの体験です。

この場所は、ブラッククリークに移り住んだふたりが築いた夢の「我が家」。そして訪れる人々をあたたかく迎え入れてくれる、そんな特別な場所です。

ただ野菜を買いに来ただけのつもりが、なぜか長居してしまうのは、この心地よさゆえでしょう。コモックスバレーとキャンベルリバーのちょうど中間、ハイウェイ沿いに位置する Clever Crow Farm は、見逃せないスポットです。ふたりの言葉を借りるなら、ここはまさに「見つけやすく、去りづらい」場所。

VOICE(V):このファームで大切にしていることは何ですか?

Brian(B):私たちは正式にオーガニック認証を受けているわけではありませんが、日々の作業ではオーガニックの考え方を基本にしています。私にとって一番大切なのは「自然と同じようにバランスを大切にすること」です。特に重要なのは土の健康です。土をしっかりと手入れして大事にすれば、土が植物を育ててくれるんです。堆肥や家畜の糞、カバークロップ(被覆作物)などを使って土を育てていますし、微生物の多様性も意識しています。
また、多様性そのものもすごく大切にしています。農場にいろいろな生き物がいることで、全体のバランスが取れて健康な生態系になるんです。たとえばアブラムシが出てきたら、テントウムシがいてくれると助かりますよね。だから、テントウムシが自然とやってくるような環境をつくっているんです。鳥の巣箱やミツバチの巣箱を設置したり、果樹の生け垣を植えたりして、農場全体で生物多様性を支えるよう工夫しています。今年からは、種の採取も始めました。

V:シェフから農家に転身したときは、どんな感じでしたか?

B:シェフの仕事は本当に好きでした。でも、自分の中ではその章がひと区切りついたように感じたんです。もともと食にはずっと関心があって、農業にも興味がありました。ただ、正直なところ、自分たちに農地を持てる日が来るなんて思ってもいませんでした。
料理は、ある意味で食や生産者とのつながり方の一つだったんです。20年ほど前には、「The Bar None Café」っていうベジタリアンのレストランをコートニーの中心部でやっていたこともあります。そのお店が閉店したあと、夏の間だけ地元のバイオダイナミックファームで働くことになって、そこの方々にいろいろ教えてもらいました。今でも時々顔を見せてくれて、それがまた嬉しいんです。あとは、有機農業に関する本や雑誌、エリオット・コールマンみたいな著者の本を読んで独学でも学びました。
今は、外で体を動かして働けるのは本当に気持ちいいと実感しています。蛍光灯の下にずっといる生活には戻れないかもしれません(笑)。

V:夏の一日の日課は、どんな感じですか?

B:たいてい朝6時には外に出ています。まず農場を一周して、その日にやることをリストアップするところから始まります。日によってスケジュールは違うんですが、たとえば日曜と月曜は収穫作業がメインですね。地元の食料品店向けに収穫して、洗って、パッキングする日です。それから、ほかの農家さんと協力して、「Dent Island Lodge」やリゾート施設にも出荷しています。あとはもちろん、常に雑草取りは欠かせません!

V:ブラッククリークのコミュニティは、どんな雰囲気ですか?

B:引越しした当初から、私達をすごく温かく迎えてくれました。ここに来てから、前よりずっとたくさんの友人ができました。正直なところ、18年間コートニーに住んでいたときよりも、ここブラッククリークの人たちとのつながりのほうが深く感じられます。(おもしろいことに、Liaも全く同じことを言ってました!)それに、もう8年くらいオイスタ―リバー消防団のボランティア消防士もやってるんです。

V:どうして「Clever Crow Farm(賢いカラスの農場)」という名前にしたんですか?

B:コートニーに住んでいたとき、うちのまわりにはいつもカラスがたくさん集まってたんです。夕方になると、ただ座って彼らの様子を眺めるのが楽しみでした。見ていて飽きないんですよね。近所にはクルミの木が多かったんですけど、カラスたちがその実をくわえて道路まで飛んで行って、走ってくる車の前に落として割ってたんです。もう、あれは見てて衝撃でしたね。カラスって本当に頭が良くて、常に何かを考えてるし、いろんなことに挑戦するんです。
だから、ハーブやスパイス、シーソルトの販売を始めたときに、「カラスってうちのスタイルにぴったりかも」って思ったんです。

V:ブライアンさんにとって、農業とはどういうものですか?

B:農業には独特のリズムがあって、それがすごく好きなんです。季節の流れとともに動いて、土とつながって、自分たちの食べ物を育てていく感じですね。1月と2月にはちょっとした“冬眠期間”もあって、その間にしっかり休んで気持ちをリセットすることもできます。そして、農業を通じて地域の人たちやお客さんと深いつながりができたのも本当にありがたいことです。
また、自分たちで食べ物を育てられるという安心感も大きいですね。それは、自分にとってとても意味のあることなんです。

V:リアさんにとって、「食」とはどういうものですか?

Lia(L):食べ物は、私たちの体を育んでくれるものです。誰にとっても必要なものですよね。でも、地域の中での食は、さらに特別な意味があると思っています。それは、周りの人たちのために食べ物を育てることだったり、自分で収穫する方法を誰かに伝えていくことだったり。そうすることで、私たちのコミュニティ全体が、健康で、おいしい食にちゃんと恵まれるようになると思うんです。

V:Clever Crow Farm ブランドとして、最初に作った商品は何でしたか?

L:最初に作ったのは、「Herbs of Comox Valley」です。いわば、この地域版の「エルブ・ド・プロヴァンス」ですね。それに続いて作ったのが「タコスシーズニング」で、これはすぐに大人気商品になりました。そこから、塩やスパイスのブレンド商品はどんどん増えて、今では全部で11種類になりました!
以前は塩も自分たちで作っていたんですよ。塩作りの工程を一から全部やってました。
でも今は、地元の「Gathering Place Trading Company」さんから塩を仕入れています。

 

V:リアさんが情熱を注いでいることは何ですか?

L:食べ物に関することなら、読むのも、味を試すのも、きれいでおいしい料理を作るのも大好きです。私はずっと、飲食業と接客の仕事をしてきました。人を食で元気づけたり、「こんな夕食もあるんだ!」って新しいアイデアを届けたり、ちょっと変わった食材や料理を紹介したりするのが本当に楽しいんです。
実は、料理を始める前に、頭の中でレシピを組み立てることが多くて…たいていうまくいくんですよ(笑)。たとえば、先週つくった新商品「キムチ・チップディップ」もそのひとつです。Molly Baz の料理本で見つけたレシピをベースにしたんですが、もう大人気で、どんどん売れてます!チキンウィングやセロリスティックはもちろん、地元産のコーンチップとも相性抜群です。
それから、今年導入した新しい冷蔵庫も楽しみの一つになりました。おかげで、ボックス入りのサラダなど、新しい商品にもチャレンジできるようになって。なにより、店内ディスプレイとして、うちの新鮮な商品たちをすごくきれいに見せてくれるんですよ。

V:これからの展望や、将来の夢はありますか?

L:正直に言うと、今のままで十分幸せです。今あるもの、ここでの暮らし、すべてに満足しています。

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Clever Crow Farm

Clever Crow Farm should be on your must stop here list while on Vancouver Island. We are located halfway between Courtenay/Comox, and Campbell River, on the highway. Easy to find. Hard to leave. Open Wed-Saturday 9-5pm March through to Christmas.

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