top of page

Salt Spring Seeds

Dan Jason, owner 

Credits


Photography - HIRO 
Interview -MINA

「種を救いましょう。種は未来です。ハイブリッドではなく、遺伝子操作されていない、シンプルに保存可能な種を使用しましょう。私たちの種は古き良き仲間です」

ソルトスプリングシードは1986年に設立され、カナダ全土の農家や園芸家に有機栽培、在来種、自然受粉の種子を提供するオンライン種苗会社です。野菜、穀物、豆類(乾燥豆、レンズ豆、ひよこ豆)、薬草、花々など、北米西海岸の気候に適した地元産の品種を主に取り扱っています。

ダンは種子を通じて、循環型経済が未来への鍵であることを実証してきました。また、有機栽培の推進、食料・医薬品の自給自足や自家採種の奨励など、熱心な提唱者でもあります。サステイナブルな食物栽培や調理法に関する数々の書籍の著者でもあり、ベストセラーとなった「Some Useful Plants: A Foraging Guide to Food and Medicine From Nature」は、1971年に出版されて以来、3万部以上売れています。  ​

音楽家になるために生まれてきたと知っている子供がいるように、ダンも幼い頃から自分が植物と深くつながっていることを知っていたのです。植物への愛情は、彼の血と骨の中にあったからです。モントリオールで生まれ育った彼は、家の中にいるよりも外にいるのが好きでした。McGill大学で人類学の学士号を取得し、BC州に移ったとき、彼は植物と関わり始め、のちにベストセラーとなる採集の本を書きました。1976年にソルトスプリング島にやってきて、ようやく自分の庭を持ち、年々それを大きくしていきました。やがて彼は、野生の植物やハーブ、薬草が、庭でも簡単に育てられることに気がつきました。

 

ダンは、先祖伝来の種や在来種となる品種を育てる喜びを、ずっと追い求め続けて来ました。彼の種子カタログは、友人や近所の人たち、時には世界の他の地域の人たちからも、代々受け継がれて来た種子を扱っています。美しいソルトスプリング島にある彼の古風な納屋のようなオフィスは、まるで種子の国連ギャラリーのようです! 1000年タバコ、サンシャインコースト由来のそら豆、または日本のミツバ、青シソ、赤シソ、北海道カボチャなど、エキゾチックな種も数々あります。それぞれの種には愛すべき物語があり、ダンはその守護天使なのです。彼は、自分が受け継いだ種子の命によって、人々が地元の植物や土地と再び繋がる機会を与えているのです。

VOICE(V):ソルトスプリングシード "にまつわるエピソードを教えて下さい。

ダン(D): 「「誰が育てたか」、「どこで育てたか」、そしてその種子と植物がどのように使われたかなど細かい使用方法まで、たくさんのストーリーがあります。例えばトマトは約150種類もあり、乾燥に適したトマトもあれば、保存食や缶詰に適したトマトもあります。バラエティや多様性というのは、とても大切なことです。多様性は、私たち人間、そしてすべての生き物の一部なのです。私は自分が本当に好きなことを仕事にできてとても幸運だと思います。
私の種はすべて地元のもので、とても長い間人々によって保管されてきました。彼らは私にそれを授け、受け継ぐ特権を与えてくれました。私を助けてくれる地元の種苗生産もいます。ソルトスプリング島だけでなく、バンクーバー島、ガブリオラ島、ホーンビー島、コルテス島、サンシャインコーストなど他の場所でも種は栽培されており、それらはすべてソルトスプリンシードの一部となっています」

V:種苗生産者をどのように選んでいますか?

D:「それは自然に進化してきました。初期の頃は、種を育てるために手を差し伸べてくれたのは友人たちでした。今では、メールで「どうやったら種を育てられるか」という問い合わせが来るようになりました。種の魅力は少量で済むことです。50粒ほどの種子の袋から始めても、種子は増殖し、2年も経てば倍増し自分で種子を生産することができるのです。自然は信じられないほどの豊かさを与えてくれるものです。一方、私たちの世界ではすべてが乏しく、何事も手に入れるのがとても困難に見えます。」

V:庭で育てやすい植物は何ですか?

D:「実は、豆と穀物は最も育てやすいものなんです。穀物、ひよこ豆、大豆など、何千年にもわたって世界中の人々を養ってきた作物であるのに、種子のカタログにあまり入っていないのは不思議なことです。
豆や穀物類は病気も少なく、水もあまり必要としません。小さな庭でも育ちます。北米では、大規模な工業的農業にすべてを任せてきたため、栽培が難しいという間違った認識があります。しかし、機械や肥料を使った大規模な農業は、地球を採掘しているようなものです。私たちは、過去にずっとやってきたように、小規模な農業に戻る必要があります。小さな家族経営の農場では、人々は共に働き、自然の中に身を置き、植物と関わり合い、農作物を育てる愛と喜びを友人や隣人、家族と分かち合って来ました。それは、最も素晴らしいことのひとつです。人生とはそういうものなのです。今、私たちはその多くを失ってしまいました。」

V:種の保存方法と寿命は?

D:「光に当てず、冷暗所で保管すること 」です。そして何より大切なのは、乾燥させないこと。ちゃんと保存をすれば、たいていの種は5年から10年はもちます。
また、気候変動で何が起こるかわからない未来に備えて、一度にすべての種を使い切ってしまうのも良くありません。伝統的に、人々は常に将来の大災害に備えていくつかの種を備蓄保存してきました。今でもそうすることがとても重要なのです」

V:Covid-19パンデミックによる影響を感じますか?

D:「劇的な変化ですね。突然、人々は、自分たちにできる最良のことは家庭菜園をすることかもしれない、と気づいたのです。年末は通常、私にとっては静かな時期ですが、昨年、一昨年は違いました。誰もが来年の種子を注文し、私は常に注文を満たすことで大忙し。種子の注文が殺到しました。

気候変動により、多くの伝統的な種苗会社が今問題を抱えています。大規模な種苗生産者は、世界の1ヶ所か2カ所の限られた場所でしか種子を育てていないのが現状です。彼らの種はそもそもその土地に順応していないので、もしその場所が未曾有の気象現象に見舞われたら、彼らの種も生き残ることはできないでしょう。
ソルトスプリングシードは、小規模な生産者を抱えており、その種は現地に適応した多様性のあるものです」

V:種を通じて伝えたいことは何ですか?

D: 「私は、種ビジネスをお金稼ぎに使ってはいけないと伝えています。誰もが平等に種子にアクセスできるようにすべきなのです。種は基本的なものであり、種を売って大儲けするようなものではありません。もし、コミュニティで自分たちの食べ物を作り始め、お金に頼らない循環を作ることができれば、システム全体を変える良いきっかけになるでしょう。誰もがそれに参加することができます。これは、異なる種類の経済の始まりであり、私たちが戻るべき原点だと思います。私たちは、すべてのものと関わり合いながら働き、感謝し、地球や地球上のすべての生物と調和して生きていかなければならないのです」

V:あなたから見て、ソルトスプリング島はどのように変化してきましたか?

D:「特にここ2、3年で大きく変わりましたね。多くの人にとってこの島で働き、住む場所を見つけるのは大変なことです。島は、コミュニティーの感覚を失って来ています。まだ良いところも残っていますが、以前のように統合されてはいません。Covid-19によって、家族内でも恐怖と分裂が起こり、さらに悪化しているような気がします」

V:ソルトスプリング島のサステナビリティの現状についてどう思われますか?

D: 「真の現状を知ることは難しいですね。多くの人がそれについて話していますが、多くの人が行動していません。「大気圏の川」のような今起こり始めている異常気象の出来事によって人々は突き動かされ、考え直していくのでしょう。このような異常気象の現象は、再び我々を生きる上での共同体として意識を高めさせるのだと思います。それは、お互い親切に、優しく、助け合うことです。今、私たちはそんなクレイジーな世界に生きていますが、きっと良い条件で抜け出せると信じてます。いざとなったら、友人や隣人がすべてなのです」

V:あなたにとって種・食は何ですか?

D: 「種は過去・現在・未来 "です。良い種がなければ、良い食べ物はできない。それはとてもシンプルで、とてもわかりやすい。この種は、何世代にもわたって、たくさんの人の手によって、愛情を持って受け継がれてきたものです。生きているのだから、死なせてはいけない。何世紀にもわたって私たちを支えてきたこの種を、私たちが守り続けられないわけがないのです。鳥、虫、動物、風、木、水に至るまで、すべてが地球という網の目のようにつながった共同体の象徴なのです」

Salt Spring Seeds

Dan Jason, owner

Since 1988 we've been supplying seeds to farmers+gardeners, promoting organic growing, and encouraging seed saving.

  • Facebook
  • Instagram
ss_in.jpg
bottom of page