Snackish Sausages
Tom and Emilie Looijschelder, owners
Credits
Photography - HIRO
Interview -MINA
「みんなにスナック感覚で楽しんでもらいたい!」
ビーチの砂絵から生まれたのは、壮大なソーセージビジネス。
2020年6月、トムとエミリーがバンクーバー島のトフィーノに旅行中、エミリーが遊び心で砂浜にソーセージを描いことから突然ビジネスのアイディアが浮かびました。おいしいソーセージを作ったらいいんじゃない?Snackishにはそんなユニークな始まりだけでなく、パンデミックによって多くの人が奮闘し、クリエイティブに生きるきっかけとなった感動的なストーリーでもあります。
オランダ出身のトムは、オランダの大学で食品科学と革新技術の学士号を取得。自分のキャリアパスを決める前に世界を見ようと旅に出ました。エミリーはモントリオール出身のフランス系カナダ人で、二人は別々に旅行していたバリ島で運命的な出会いを果たします。旅が終わった後、トムはエミリーのいるモントリオールに引っ越しました。オランダの小さな村で両親がスーパーマーケットと精肉店を経営していた背景もあり、彼はモントリオールの肉屋で働き始めることになります。肉屋で働く傍ら、ケータリングビジネスも手がけ、モントリオールの人たちに得意のオランダ料理のランチミールを作りました。マッシュポテト、野菜、肉に自家製のアイスティーを添えて...夏には大盛況のビジネスでした。
パンデミック直前の2019年9月。エミリーはBC州に転勤になり、2人はこれから世界が直面するCovid-19パンデミックが来るとは夢にも思わず、カナダ西海岸で新しい一歩を踏み出しました。そして突然襲って来たのパンデミックの中、トムはSebastian & Co Fine Meatsの肉屋の店長として、エミリーは長年勤めていた既存の職場で働き続けることが出来ました。
では、なぜ彼らはパンデミックの最中、この新しいソーセージプロジェクトで敢えて奮闘しようと思ったのでしょう?それは、彼らは食に対してとても情熱を持っていたからです。BC州に引っ越して以来、ヨーロッパのオクトーバーフェストのように、大きな食卓を囲んで大勢で楽しむ食文化を恋しがっていました。パンデミックによって多くの人が外食を避け、家で食事をするようになった今、ソーセージのような定番の食をもっと楽しくクリエイティブなものにしたいと言う想いから、Snackishは始まりました。
週に1袋のソーセージをを売ることから始まり、その数は毎週増えていきました。ソーセージを中心にお客さんや地元のブランドとの小さなコミュニティーの輪が生まれはじました。そして現在、人々の要求に応えるために新たにオンラインショップも開設。この素敵なカップルと会い、彼らのファンキーなソーセージを食べれば、なぜSnackishがこれほど人気ブランドになったのか、誰もが納得することでしょう。
VOICE(V):”まず、Snackish(スナッキッシュ)とはどういう意味ですか?
Emilie(E):「 "Snackish "という名前は、トムがスナック好きであることに由来しています。彼は夜食が大好きで、よく冗談で「あなたが死んだら『トムはとてもスナックっぽい男だった』と追悼文を書いあげる」と言っていました。また将来的にSnackishをどう展開して行きたいかという哲学も込められています。いずれソーセージだけでなく、おいしいスナックの数々も提供出来たら良いですね」
V:Snackishソーセージの特徴とは?
E:「クリエイティブでおいしい ということはもちろん、私たちは常に「肉は少しの量で質の良いものを食べるべき」というモットーがあります。それは私たちのビジネスに反映されています。毎日ソーセージを食べろとは言いませんが、ソーセージを食べるなら、本当においしいものを食べてもらいたい。だから、私たちのソーセージには、発音できない難しい原料は一切入っていません。材料はすべて、誰でも分かるシンプルなものばかりです。抗生物質やホルモン剤も使用しないし、できる限りナチュラルで地元の肉を使用しています。ソーセージの巾着袋もすべて自然な材料です。夏には、ファーマーズマーケットに通って新鮮な旬の地元食材を探します。美味しいソーセージを作るには、近道も隠し味もありません」
V: どうやってクリエイティブな味のソーセージは生まれているんですか?
Tom(T):「私は食品エンジニアになるために勉強したので、味を作るときにはたくさんのアイデアを持っています。楽しいフレーバーを常に考えていて、看板商品のマック&チーズ・ソーセージはまさにその一つです。私たちのメニューは、季節感や意外性があり、パンプキンスパイスラテ、フレンチオニオンスープ、リゾット、ほうれん草&パルメザンチーズのガーリックコンフィなど、ソーセージの中に食事の要素を取り入れることが好きです」
E:「常にメニューを変化させ、季節に合わせたフレーバー作りをしています。トムはソーセージのシェフとして、とてもクリエイティブです。スナッキッシュのビジネスが始まる以前のある日、彼は豚肉、オランデーズソース、ハム、スクランブルエッグ、トーストしたガーリックとパセリでエッグベネディクト・ソーセージを作ったんです! 一口頬張るだけで、賑やかな朝食のような味わいでしたよ」
V:新しい土地でゼロからビジネスを始めるとは?
E:「モントリオールから移住してきた私たちは、ノースショアに居を構えましたが、初めは誰も知り合いがいませんでした。ある日、Lower LonsdaleにあるMeat at O'Neellsというパブでクラフトサンドイッチを食べようと入ったところ、オーナーのマーティンに出会いました。彼は、私たちがビジネスを始めるにあたって、本当に力になってくれました。アイルランド人のマーティンは、聖パトリックス・デーに特別なコラボレーションをしないかと誘ってくれました。その日の為に、私たちはギネス、キャベツ、ハムホックを使ったソーセージを作り、ダブリンの伝統的な料理であるコドルに合わせました。私たちにとってこれが、地元のコミュニティビジネスと初めてのコラボレーションの機会になりました。その後、さらに多くのブランドとコラボレーションするきっかけにもなりました。最近では、同じくノースショア出身のBamba Vodkaとコラボしたブラッディシーザー・ソーセージを作ったり、大好きなBlack Kettle Brewingとは彼らのペールエール・ビールを加えたブラックケトル・ペールエール&キャベツ&ベーコン・ソーセージを作りました。このソーセージは、Black Kettleのブリューワリーのフードメニューにも採用されています。私たちはこのように地域と関わることが大好きです」
V: 既存の仕事とどう折り合いをつけていますか?
T: 「"Sebastian & Co Fine Meats "が私のサイドビジネスに多くの自由を与えてくれていて、とてもラッキーなことだと思っています。Snackishの作業も仕事場を利用でき、必要なものはすべて肉屋に揃っています」
E: 「私は料理に無頓着な人間なので、Snackishの事務的業務を中心に手伝っています。通常のオフィスワークから離れ、クリエイティブな仕事に携われることは、私に大きなエネルギーを与えてくれます。Snackishは私たちの休日はもちろん、自由な時間のほとんどを占めています!」
V: バラエティ豊かなメニューに加え、次はどんなフレーバーを考えていますか?
T: 「味噌ラーメン味のソーセージ!」
*ということで、トムがやってくれました! 和食をイメージした味噌ラーメンソーセージ(豚肉、卵麺、マッシュルーム、白味噌、ガーリック、S&P)は、現在オンラインで購入することが可能です。
V:今までで一番好きなフレーバーは何ですか?
T: 「全部好きですが、ひとつ選ぶとしたらリゾットです。とてもクリーミーでリッチな味わいです。僕はパクチーが苦手なので、それだけはうちのソーセージには入れませんね。"
E:「今のメニューの中では、パンプキンスパイスラテが好きですね。ナツメグとシナモンが好きなんです」
V: あなたにとって食とは何ですか?
T:「全て、です」
E:「どんなレストランで、どんな料理を食べるかは、私たちが旅行を計画する時の中心項目です。食はまた、人に対する愛の表現でもあります。人を招いて、大きな食事を作り、みんなでシェアするのが好きなんです」
V:Snackishソーセージを美味しく食べるコツは?
E:「私の好きなソーセージの食べ方は、いろいろな味を組み合わせて小さく切り、テーブルの真ん中の大きな皿に盛って、ビールやワインを片手にフィンガーフードのように楽しむことです。ソーセージは家族や友人とシェアするものなのです」
VOICEコミュニティ: Meat at O`’Niells , Black Kettle Brewing